こんにちは! アニメイキングの黒木白桃です
今回はフェアリー日産ゴーン、フェアリーカルロスゴーンなどと揶揄されるクソアニメ『Fairy gone フェアリーゴーン』を紹介します。P.A.WORKSファンだけど見てねえなと思って視聴する。視聴前にひどい作品という噂を聞いて居たため自分の目で確かめるべく、どこが悪くてどこが良いのかと考えながら見た
1.序盤(1話~7話)は面白い要素あるけど、活かし入れなくて退屈に感じる
2.セリフが魅力的で心に刺さる名言が多い
3.最初こそとっつきづらく難解だが、その謎が少しづつ解けていくのが気持ちいい
『Fairy gone フェアリーゴーン』作品概要
『Fairy gone フェアリーゴーン』ってどんなアニメ?
あらすじ
かつて妖精は、“兵器”だった―。
この世界には、動物に憑依することで不思議な力を宿す妖精が存在していた。妖精が憑依した動物の臓器を摘出し、人間に移植することで、妖精を分身として出現させ、兵器として扱えるようになる。妖精を戦争の道具として自在に操る兵士たち、彼らは『妖精兵』と呼ばれた。
だが、長きにわたる戦争が終結すると、彼らはその役目を果たし、行き場を失ってしまう。あるものは政府に、あるものはマフィアに、あるものはテロリストに、それぞれの生きる道を選択していった。
戦争から9年の歳月が経つ。未だ不安定な政治情勢の中、戦争によって受けた傷や過去を持つ犯罪者が現れ、復讐のためテロを起こすようになっていた。主人公の少女マーリヤは、ある事件に関わった事から妖精に関連する事件を捜査・鎮圧する違法妖精取締機関『ドロテア』に入隊することとなる。
これは、無秩序な戦後に抗い、それぞれの正義を求め戦う『妖精兵』たちの物語―。
YouTubePV
放送時期 | 第1クール 2019年春 4月 – 6月 第2クール 2019年秋 10月 – 12月 |
制作会社 | P.A.WORKS
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監督 | 鈴木健一
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シリーズ構成 | 十文字青
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脚本家 | 十文字青(全話)・鈴木 健一(1話2話共同) |
キャラクターデザイン | 原案 中田春彌(なかた はるひさ) 清水貴子
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音響監督 | 明田川仁(あけたがわ じん)
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主演声優 | 市ノ瀬加那,前野智昭,福原綾香,細谷佳正 |
原作 | オリジナルアニメ Five fairy scholars名義 |
円盤売上 | たった300枚。2クール目にいたっては数字が出ていない |
OP1 (K)NoW_NAME「KNOCK on the CORE」
ED1 「Ash-like Snow」
OP2 「STILL STANDING」
ED2 「Stay Gold」
キャラクター紹介
マーリヤ・ノエル
フリー・アンダーバー
ヴェロニカ・ソーン
評価
1.メッセージ性 行動までも動かすことが出来るか 2.構成・脚本 1話1話の完成度と、伏線などを使った全体的なストーリーの面白さ・スゴさ 3.演出 表現方法の鮮やかさ(メタファーなど) 細部をきちんと描写しているか? キャラクターの心理描写。例えば、視線の動き・表情の細やかさを描いているか?など 4.オリジナリティー 他の作品には真似できない強いパワーを感じるか 5.キャラクターの魅力 可愛さやかっこよさ、どれだけ共感するか 好きになれるキャラクターや、魅力ある悪役が居るか 6.音楽 何度も聞きたくなるクセになる曲か。SE(効果音)の作りこみは高いか 7.作画 絵は安定しているか。背景の美しさや、動きに迫力があるか カメラワークは良いか 3DCGと手描きがマッチし、違和感がないか 8.見やすさ・カジュアル度 ☆4や☆5であればサックと見れる、他人に薦めやすい作品 ☆0や1はグロだったり、重い・特殊な作品でかなり人を選ぶもの伝えたいことがどれだけ明確か。心を動かされ、その
上から順に重視する。0-5ポイントで評価し、最小単位が0.5ポイント。
1.5等外 2.0悪 2.5可 3.0中 3.5良 4.0上 4.5極上 5.0完璧
良い点
1.深まる謎と終盤の伏線回収
2.正義と政治思想がぶつかるのが考えさせられる
3複雑に絡まり合う対立構造の魅力
悪い点
1.登場人物が異常に多く把握するのが大変。それに加えてファンタジー作品特有の固有名詞が多すぎる。公式にのっているキャラのみで39人居る。うち6人は1話開始時点で死亡しているが(6人は過去の回想で描写がある)
ここが良いよ『フェアリーゴーン』 3つのおすすめポイント!
さっき挙げた良い点を詳細に語る
深まる謎と終盤の伏線回収
このアニメを語るうえではかかせないアイテム「黒の妖精書」。これを巡り複数の組織や人々が奪い合い殺し合う。ただの書物をなぜここまで血眼になってまで探すのか? どういう存在で中にどんなことが書いているのか? 過去にこの書物を手にした王国はなぜ滅んだかの? さまざまな疑問が中盤から少しずつ伏線回収されていき、終盤 謎だらけになっていた頭の中がクリアになる感覚は爽快だ。考察しながら楽しみ人には特におすすめだ
平和と人類のおろかさを問いている
のちに大戦と呼ばれた統一戦争が終わって10年人びとは平和に暮らしていた。だが、戦争によって大切な者を奪われた者、戦争の主役であり遺物である「妖精兵」、強大な力を持つ「妖精」を管理しようとする者、管理しコントロールしようする者を邪魔する者。大量のしかばねに成り立っているこの「平和」は正しいのだろうか? 理想のために血で血を洗う戦い。過去・歴史を知りながらも人間はあやまちを繰り返す。その悪の根源である人間をすべて消そうと目論む組織の考えも理解できる。「平和」「正義」とは何か?心に語り掛けるものがある
複雑に絡まり合う対立構造の魅力
かつての仲間が敵として現れる。自分たちは秩序を守る正義の味方。かたや、かつての仲間は国を脅かすテロリストと成り下がる。だが、元仲間とあるだけに非情になれない。故郷を放火された、同じ部隊の兵士として戦った共通の経験がありながら、立場はまったくの逆なのが面白い構図
複数の組織・人による思惑、そして裏切り。彼ら1人1人が何を思いどういう世界を望んでいるのか? 互いの譲れない信念と思想がぶつかり合い、どのように世界がつむがれていくのか興味深い
無料視聴 無料動画サイト
1.dアニメストア
2.Netflix
3.Amazonプライム・ビデオ
4.U-NEXT
6.フジオンデマンド FOD
7.Hulu
『Fairy gone フェアリーゴーン』感想 ネタバレあり
ネットでクソアニメ評価だったため、自分の目で確かめるべく視聴する。PAファンなのにリアタイで見てなかった。『グラスリップ』といい勝負できるかなとワクワクしていた。面白い方向に転がってもクソアニメとしてコケてもどっちにしろ楽しめたと思う。結論から書くとはっきりいって序盤はくそつまらない。公式にのっているキャラだけで39名と非常に多く名前が覚えられない。固有名詞も多く頭がぐちゃぐちゃになる。さらに時間軸・キャラクター視点が目まぐるしく変わるため状況把握が困難だ2話アバンの時点で「あ、もうこれ凄く分かりにくいわ…そりゃー評価されづらいわけだ」と感じた
しかし、一方できちんと評価している意見もあった。賛否両論される作品が個人の好みによる差が大きい。この世界観と雰囲気が私の好みといえばそれまでだが、『フェアリーゴーン』という今作には確かなものがある。といっても個人的に明確に面白いと感じたのは8話からだ。1話から7話は面白い要素はあるがなんか活かしきれていない印象をいだく。『黒の妖精書』に関してあまり情報がなく、なぜ彼らはただの書物を必死になって探すのだろうか?という疑問などが残り、いまいち物語に入り込めない
じゃあ、なぜ8話を評価したかというと、それまでの面白い要素を活かしきれたからである。ずばりこのアニメの面白い要素は「セリフの強さ」である。1つ1つのセリフに魂が込められていて感銘を受ける言葉が数々ある。例えば、8話では現首相(国が統一する前は軍人)に父親を奪われた青年が首相暗殺未遂を起こす。そして、その犯人を捕まえた主人公が彼に言った言葉が胸にしみる
犯人「(ゴルバーン首相を)許せるかよ!」
主人公:フリー・アンダーバー「許せなくていいさ。ただ受け入れろ。戦争は終わったんだ。人殺しが正当にに裁かれる良い時代だろ?」
犯人「ゴルバーンも人だってのか…」
主人公:フリー・アンダーバー「ああ、お前と同じただの人間だ。だから殺すのは無しだ」
エンディングの入り方もキレイだし、統一戦争のとき軍人だったフリーが言ったってのも良い。フリーもこれまで沢山人を殺して生き残った、いや生き残ってしまった。だから彼の言葉には重みを感じる。そして奪って統一を成し遂げ平和を勝ち取った首相と、戦争の被害者である奪われたものを同じ人間として見るのも深い。奪った者たちは自分の罪を背負い、奪われたものは取り返しの付かない事実を粛々と受け入れていく必要がある
8話以前にも良いセリフがあったから輝いたシーンだ。8話より前だと例えば6話でクラーラが列車で言った言葉も印象的だ。自分が生まれたときに両親が死んだマーリヤと、戦時中 親を亡くしてしまったクラーラ
マーリヤ「私はお父さんもお母さんも知らなくて…」クラーラ「それじゃあ、私は幸せですね。だって無くしてしまったけれど、思い出はあるもの。」
両親を失った状況でよくこんな強い言葉が出てくるなと感心する。マーリヤの視線誘導・間の使い方・意外性のある言葉。任務中のさりげないシーンでこういうのをいくつも見せれくれるんだよな~
まとめ
序盤こそ難解でつまらない所が多々あったが、情報を整理しながら考察するとかなり楽しむことができる作品だ。確実に人を選ぶ作品だが良い作品には間違いない。2019年でTOP10には入る、個人的には3位~4位(1位はDr.Stoneで圧倒的)
謎と情報がいっぱいで頭がこんがらがるが、終盤ではその絡まった糸がほどけていくストーリーが最高。平和の先で彼らが望む世界とは何か? 壮大で考えさせられるテーマ―が私たちに問いを投げてくる。「平和」と「正義」はどうしていくのか。答えが出ない、そのテーマにどう向き合っていくのか
難しい話で分かりにくい演出法で、とっつきにくい。しかし、その壁を越えた者だけが見ることが出来る景色がある魅力的な作品だ
あなたの〈アニメライフ〉に少しでも役に立ったのなら、記事を書いた甲斐がありました。最後まで読んでくれてありがとう。ではまた、黒木白桃でした
公式サイト

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