こんにちは! アニメイキングの黒木白桃です
1.アクションがしっかりとしているアニメが見たい!
2.ツンデレ妹ばかりで退屈だ……、クール系妹を見てみたい!
3.ファンタジア文庫のアニメ化は下手くそ
『棺姫のチャイカ』ってどんなアニメなの?
今作のあらすじ・放送時期・話数・OPなどについて紹介
あらすじ
長きにわたる大戦が終結し、徐々に平和を取り戻しつつあるフェルビスト大陸。
生きる目的を失い自堕落な日々を送っている元・乱破師(サバター)のトールは、妹アカリとともに放浪の身であった。と、そんなふたりの前に棺を背負った魔法師(ウィザード)の少女チャイカが現れる。
あるモノを探して旅を続けているという彼女に、ひょんなことから雇われることになった兄妹。その依頼とは–
放送時期 | 2014年春 2014年秋 分割クール 1期12話+2期10話=22話 |
制作会社 | ボンズ
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監督 | 増井壮一(ますい そういち) |
シリーズ構成・脚本家 | 待田堂子(まちだ とうこ)
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キャラクターデザイン・総作画監督 | 新井伸浩 |
音響監督 | 三間雅文 |
主演声優 |
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原作 | 富士見ファンタジア文庫 作者 榊一郎(さかき いちろう)
イラスト なまにくATK(なまにくあったかい) |
円盤売上 | 1期1巻 初動1,490枚 2期1巻 初動866枚 |
YouTubePV
OP1「DARAKENA」
OP2「漆黒を塗りつぶせ」&ED2「ワタシハオマエノナカニイル」
キャラクター紹介
ネタバレにならない4人を紹介
チャイカ・トラバント
CV安済知佳
- 「サクラクエスト」緑川真希
- 「響け!ユーフォニアム」高坂麗奈
- 「灰と幻想のグリムガル」メリイ
- 「クズの本懐」安楽岡花火
天然、片言、太眉、ドジっ子、スナイパー。父の遺体を集めるためにトール・アカリと旅をする
トール・アキュラ
- とらドラ! 高須竜児
- 暗殺教室 千葉龍之介
- 異種族レビュアーズ スタンク
20歳ニート。戦争中アサシンとして活躍していたが、戦後の世界で退屈に過ごす

納得、無職の貧乏人!
アカリ・アキュラ
CV原優子
- アイドルマスター シンデレラガールズ 向井拓海
17歳でトールの妹分。クール系ブラコン。トールとの掛け合い1つ1つが面白い
アルベリック・ジレット
CV
- 進撃の巨人 ライナー・ブラウン
- 君のいる町 桐島青大
- Free! 山崎宗介
- ファイアーエムブレム 覚醒 ルフレ(Robin)
戦後復興推進機関:クリーマン機関の騎士でジレット隊隊長。上層部の命令でチャイカを捕えようするが、行動していく内にチャイカという存在に疑問を持ち始める
評価
上から順に重視する。詳しい評価基準についてはこちら→当サイト(アニメイキング)におけるアニメの評価基準について
71点
1.メッセージ性 | |
2.構成・脚本 | |
3.演出 | |
4.オリジナリティー | |
5.キャラクターの魅力 | |
6.音楽 | |
7.作画 | |
+-*/ | |
8.見やすさ・カジュアル度 | |
9.独断と偏見に満ちた個人的な好み |
良い点
1.ボンズが手掛ける本格アクション
2.記憶がない少女という王道ストーリー×ダークファンタジー
3.グロ・ホラーの中にあるギャグシーンによって、物語全体として緩急が生まれる
悪い点
1.原作未読だが、原作をかなりカットしていると感じる。原作計12巻をわずか22話で全消費
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感想 ネタバレあり
昔(放送当初)名前だけは知っていた作品だが見れていなかった。それと何気にボンズ作品1つも見てないよな~と思って視聴した。たいして期待はしてなかったが、良い作品だと感じた。記憶喪失という王道要素とダークファンタジーが掛け合わさったストーリー
なろう系が流行る前のライトノベルって面白かったんだなと認識した。多少の粗はあったがもう少し評価されても良い作品だ
複数いるチャイカという存在
この設定は今作の核となるものだ。ネタバレなしで見れたのは幸運だった
記憶喪失で自分が何者か分かならいなかで、自身と同じような容姿をもつ少女と出会う。少しづつ謎が解決すると同時に、さらなる謎がくるシナリオ展開が面白い
同じ容姿だがそれぞれのチャイカで遺体収集の目的・性格が異なるのも面白い。父アルトゥール・ガズ皇帝をとむらい安らかな眠りについて欲しいと願う白チャイカと、皇帝を殺した八英雄や父を見殺しにした幹部を恨み復讐心を燃やす赤チャイカ
この2人の対比がよく出来ている。2人のチャイカが己の信念を胸に戦う姿はかっこいいし可愛い。記憶喪失で自身が何者が分からなくなるときもあったが、旅の途中で出来た仲間のために行動する姿はガズの道具でなく明確な意思をもった人間になった
特にAVENGING BATTLE(2期)8話Bパートでの白チャイカ&トールvs紅チャイカ&ダウィードのバトルが好きだ。勝った方が遺体を入手できる。だが、気が強く遺体集めでは妥協せず手段を選ばない紅チャイカがバトルをあきらめ敗北宣言をする、ダウィードを守るために。
今まで「チャイカ」として生きていた彼女が、「チャイカ」という役割を放棄して遺体入手より仲間を守った行動は、確かなる魂がそこにあった。勝ったほうがカッコいいが、このアニメは「負けるかっこよさ」も描いている
紅白チャイカ以外のチャイカ
白(トラバント)、赤(ボフダーン)に加えて、真実を知ってしまった青チャイカ(レイラ)、偽物の黄チャイカ(ユリア)、半分チャイカ化したヴィヴィ、そして黒のチャイカ
それぞれの「チャイカ」の狙いと想いが交差し物語を深くしている。ガズ皇帝にとっては単なる術式だった彼女らが、自身のルーツを疑いだす。たしかに自分は偽りの存在かもしれない。だが、ともに旅をしてきた仲間たちとの時間は偽りでなく本物だった
真実に屈した者、真実を知ってなお抗った者。結果的に青・黒チャイカは悪者になったが、彼女らを支えてくれる仲間が居たら、赤チャイカのように守るべき存在ができたかもしれない。全てのチャイカに幸あらんことを
暗さの中にある笑いが緩急をつけている
モザイク・黒の光などで規制がされているものの「手首が飛ぶシーン」や「吊るされた死体」とかがあるグロホラーあふれるダークファンタジーだが笑えるシーンは結構ある
主人公のチャイカは天然ボケ、片言、太眉で単語やフレーズで笑えるんだが、それ以上にトールの妹:アカリ、ドラゴンの少女:フレドリカが一癖も二癖もあって1つ1つの言動が面白い
発言はブラコンだが、淡々クール妹:アカリが良い
いくら兄様だろうと、私の尊敬する兄様を侮辱するとは
たとえ、兄様であっても見過ごせない
っていう意味分からない発言だったりが面白い。尊敬しているっていうニュアンスとディスりのニュアンスを同時に含んでいるアカリというキャラを体現している言葉だと感じる
ある程度はアニメを見てきたが妹属性でクールというキャラは少ない(ほかに思いつくのは『クオリティアコード』千種 明日葉くらい、あと序盤のリゼロ・レムとか? まあ彼女は妹属性ではあるが、主人公の妹ではないからな~)
だいたいのアニメ妹はツンデレという組み合わせが多い。もしくは引っ込み思案(上が兄であろうと姉であろうと) こういった妹属性ははっきりいって見飽きた
クール系妹に似た属性である「小悪魔系 後輩キャラ」というのが昨今人気だが、それとも違う。トールとアカリは実際に血の繋がった兄妹ではないが、同じ里で長年過ごした時間があるため『妹キャラ』として扱ってもいい
単にクールキャラではなく発言自体はお兄ちゃん好き好き~~♪って言ってる人間性に好感を抱いた。淡々としているブラコンにギャップ萌えする。発言内容と態度の乖離が大きく笑えるし萌える
お気に入りのシーンやセリフ
泥棒!貧乏人!追い剥ぎ!
納得、無職の貧乏人!
衝撃の事実!
…記憶っ! もちろん記憶っ! 忘却不可能
1期12話『遺されしもの』でのフレドリカ脱皮シーン
ここのシーンは腹を抱えて笑った。ガッチガッチなダークな雰囲気の中でドラゴンというキャラクター・特性を上手く使ったシーンだ
緩急のつけ方が上手い。バトルで緊張感を持たせ本質である「ダークさ」をきちんと出している
<おしい!>ファンタジア文庫ってアニメ化するの下手では?
他ライトノベルレーベルと比べたとき、ファンタジアのアニメっていまいちヒットしてない。これは原作がつまらないというわけでなく、むしろ面白いが売れてないのはなぜなのか?
ファンタジア作品で明確にヒットしたアニメといえば、『冴えない彼女の育てかた』と『ハイスクールD×D』くらいだ。ロングセラーとい観点で見れば『フルメタル・パニック!』があるが原作はとっくに完結している
- アサシンズプライド
- 甘城ブリリアントパーク
- 俺が好きなのは妹だけど妹じゃない(いもいも)
- ゲーマーズ!
- 生徒会の一存
- 東京レイヴンズ
これらの作品がアニメ化したがどれもパッとしない。京アニ品質・原作者が承認しているとはいえ原作と別物の甘ブリ、原作の可愛らしい絵をスフィンクスにした伝説の作画崩壊アニメいもいも、1期と2期で制作スタッフが変更&一部キャストが変更した生徒会の一存
他レーベルでも売れない作品は沢山あるがここまで酷い作品に仕上げているのはファンタジア作品くらいだ。この中で『ゲーマーズ!』は比較的おもしろくクオリティーが高いし、6話では最後にサブタイトルが変わるという面白い演出をしてきた。ただ、12話の尺で5巻消費は多い
今作『棺姫のチャイカ』と『東京レイヴンズ』はちゃんとしておけば、もっと売れた
棺姫のチャイカはアニメ22話で12巻消費している(より正確には1期で6巻まで、2期で8巻までをベースにオリジナル展開)
東京レイヴンズはアニメ24話で9巻消費している
この2作品がどれだけ原作をカットしているかというと通常のアニメの2.5倍~3倍だ。参考までに電撃文庫の人気作であるSAOと比較すると
アインクラッド編 | アニメ1期前半 | 1部 | 原作で1巻~2巻 計2巻 |
フェアリィ・ダンス編 | アニメ1期後半 | 2部 | 原作で3巻~4巻 計2巻 |
ファントム・バレット編 | アニメ2期前半 | 3部 | 原作で5巻~6巻 計2巻 |
キャリバー編 | アニメ2期後半 | 外伝 | 原作で8巻 |
マザーズ・ロザリオ編 | アニメ2期後半 | 外伝 | 原作で7巻 |
オーディナル・スケール編 | 劇場版119分 | 不明 | 未収録 |
アリシゼーション編 | 3期24話分 | 4部 | 原作で9巻~14巻 計6巻 |
アリシゼーション アンダーワールド大戦編 | 3期WoU23話分 | 4部最終章 | 原作で15巻~18巻 計4巻 |
24話~25話で原作消費4巻~5巻というのが大体の相場だ
ファンタジアの原作消費スピードは高すぎる。これではいくら原作に魅力があってもアニメになったとき十分に伝わらない
『棺姫のチャイカ』(未読)と『東京レイヴンズ』(既読)は構成で魅せてくる作品なためライトノベル(笑)と思ってる人にこそ面白く感じる作品だ。私は『東京レイヴンズ』アニメ見てから原作を読んだがずいぶんカットされていることに気付いた。活字はどちらかというと嫌いであったが一気に読んだ
まあでもアニメはアニメでポイントは押さえらえていた。しかし、細かな疑問が残ったり、心情描写のカットを感じる。個人的に今作で疑問を感じた点は「なぜクリーマン機関以外の各国首脳は“チャイカ事件”興味がないのか?」という点だった
私は終盤まで6か国の首脳の誰かが黒幕と思っていた。六か国会議をアニメで意図が見えなかった。描くなら、もっと各国の狙いや思惑を描写してほしかった
原作カットに加えて、単純に時期が悪かった。2014年春アニメというと
- 魔法科高校の劣等生
- ハイキュー!!
- ノーゲーム・ノーライフ
- ご注文はうさぎですか?
- ラブライブ!2期
- ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース
これらの強力すぎるライバルたちがいたっていうのも大きい。僕らはみんな河合荘とかも面白かったけど目立ってないし。でも劣等生が売れ理由は分からん、売れるなら同電撃文庫のブラックブレットだったでしょ
あなたの〈アニメライフ〉に少しでも役に立ったのなら、記事を書いた甲斐がありました。最後まで読んでくれてありがとう。ではまた、黒木白桃でした
『棺姫のチャイカ』公式サイト

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