こんにちは! アニメイキングの黒木白桃です。今回は知る人ぞ知るアニメ黄昏乙女(たそがれおとめ)×アムネジアを紹介します
2012年作品でありながら監督による見せ方が独特なため古さを感じさせない。むしろ、こういうテイストの作品見てこななったため私にとっては新しい感覚でした
1.正反対であるホラーとコメディが融合する
2.美人幽霊と恋愛をする構図が面白い
3.大沼心監督による演出が秀逸
アニメ『黄昏乙女×アムネジア』作品概要
『黄昏乙女×アムネジア』ってどんなアニメなの?
あらすじ
度重なる増築により迷路のように入り組んだ私立誠教学園。中等部一年の新谷貞一(にいや ていいち)はある日、旧校舎で迷い偶然たどりついた部屋で、不思議な雰囲気を纏う少女・庚夕子(かのえ ゆうこ)と出会う。
彼女は自分を“旧校舎の幽霊”だと言う。自分の過去を思い出せない夕子の為、貞一と夕子は「怪異調査部」を立ち上げ、この学園で語り継がれる数々の怪異を解き明かしていく。
YouTubePV
放送時期 | 2012年春 |
制作会社 | SILVER LINK.(シルバーリンク)
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監督 | 大沼心(おおぬま しん)
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シリーズ構成 | 高山カツヒコ(たかやま かつひこ)
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キャラクターデザイン 総作画監督 | 番由紀子(ばん ゆきこ)
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音響監督 | 亀山俊樹(かめやま としき) |
主演声優 | 代永翼・原由実・福圓美里・喜多村英梨 |
原作 | スクウェア・エニックス 月刊ガンガンJOKER 作者:めいびい |
円盤売上 | 初動 1巻2,059枚 5巻1,660枚 |
キャラクター紹介
新谷貞一(にいや ていいち)
CV:代永翼(よなが つばさ)
- 弱虫ペダル 真波山岳
- Free! 葉月渚
- フェアリーテイル ルーファス 役などを演じる
庚夕子(かのえ ゆうこ)
CV:原由実(はら ゆみ)
- アイドルマスター 四条貴音
- オーバーロード アルベド
- 鉄拳7 三島一美
小此木ももえ(おこのぎ)
CV:福圓美里(ふくえん みさと)
- ToLOVEる ヤミ
- ストライクウィッチーズ 宮藤芳佳
- ガールズ&パンツァー 角谷杏会長
庚霧江(かのえ きりえ)
CV:喜多村英梨
- 魔法少女まどか☆マギカ 美樹さやか
- フェアリーテイル カナ
- 青の祓魔師 神木出雲
評価
上から順に重視する。詳しい評価基準についてはこちら→当サイト(アニメイキング)におけるアニメの評価基準について
1.メッセージ性 行動までも動かすことが出来るか 2.構成・脚本 1話1話の完成度と、伏線などを使った全体的なストーリーの面白さ・スゴさ 3.演出 表現方法の鮮やかさ(メタファーなど) / 見せ方の上手さ 細部をきちんと描写しているか? キャラクターの心理描写。例えば、視線の動き・表情の細やかさを描いているか?など 4.オリジナリティー 他の作品には真似できない強いパワーを感じるか 5.キャラクターの魅力 可愛さやかっこよさ、どれだけ共感するか 好きになれるキャラクターや、魅力ある悪役が居るか 6.音楽 何度も聞きたくなるクセになる曲か。SE(効果音)の作りこみは高いか 7.作画 絵は安定しているか。背景の美しさや、動きに迫力があるか カメラワークは良いか 3DCGと手描きがマッチし、違和感がないか 8.見やすさ・カジュアル度 ☆4や☆5であればサックと見れる、他人に薦めやすい作品 ☆0や1はグロだったり、重い・特殊な作品でかなり人を選ぶもの 9.独断と偏見に満ちた個人的な好み伝えたいことがどれだけ明確か。心を動かされ、その
良い点
1.ホラー要素とコメディ要素という珍しい組み合わせ
2.夕子さんの死の謎を解いていくところ
3.美人な幽霊と生身の少年との変わった恋愛
4.白黒演出や、画角・アスペクト比の使い方が面白く独特
悪い点
1.設定的矛盾が発生している。くわしくはネタバレになるので感想に記す
3つのおすすめポイント!
さっき紹介した良い点を深く掘り下げる
1.ホラー要素とコメディ要素という珍しい組み合わせ
部活メンバーは計4人うち1人幽霊。生身の人間は3人いるが、幽霊である夕子さんが見えているのは2人である。そのため残り1人であるモモエちゃんと、貞一・霧江の2人との会話がかみ合わない様が面白い
トランプをするシーンがあるが、

なんで、4人分 配るんですか?

だって、1・2・3・4。4人じゃないですか?

いやああああ!! 3人じゃないんだーー!
2人には夕子さんは普通の綺麗なお姉さんって感じで何も怖くないのに、見えてないぶんガチで恐怖するギャップが生じているのが良い
1話はAパートとBパートが同じシーンなのに、夕子さん見えていないverと見えているverで魅せてくる演出が秀逸
2.夕子さんの死の謎を解いていくところ
学校の怪談にもなっている「夕子さん」。さまざまな事実が歪んで伝えられた謎の怪談の中に少しのヒントが隠されており、それを少しづつ解くにつれ夕子の死の真相が分かるという構成が上手いと思う
3.美人な幽霊と生身の少年との変わった恋愛
夕子の姿はほとんどの人が見ることができない。そのため彼女は長年さびしい想いをしてきた。主人公:貞一はそんな夕子さんを見ることができ、触れられる数少ない人物だ
怪談の「夕子さん」ではなく、等身大の夕子を見てくれる貞一に心を惹かれていく。
無料視聴 無料動画サイト

1.dアニメストア
2.Netflix
3.Amazonプライム・ビデオ
4.U-NEXT
5.バンダイチャンネル ←1話無料配信
6.フジオンデマンド FOD
7.Hulu
『黄昏乙女×アムネジア』感想 ネタバレあり
ホラーとコメディという正反対の組み合わせなのに、よく噛み合っていて面白い作品だ。こういうテイストの作品ってありそうで無かったと思う。少なくとも私としては新感覚だ
演出が秀逸で大沼心による見せ方が作品にすごくマッチしている。特に大沼監督はモノクロ演出が上手い! 第5話の文化祭のシーンでは霧江視点で物語が展開される。そのとき、霧江以外の周りの風景・人物が白黒になっている。これは霧江が外界を見たくない!避けたい!という心理が彼女から色がなくなっている
ももえと2人で歩いて文化祭を回っているときは色がついているが、ももえが友人から呼ばれ離れて、窓を見ている間は彩度が下がり再び外の世界を見たくない!という心理が現れている。しかし、完全な白黒ではなく僅かではあるが色がついている。これは貞一・ももえ・夕子と過ごすにつれ、見えてる世界が変わったと解釈できる
1番怖いのは幽霊や謎の現象ではなく、人の思い込み
第6話からの感想
この回ではもう1人の「ユウコさん(桐島有子)」が登場する。彼女は生きている人間だが、同じ名前である「怪談:夕子さん」がもの凄く嫌いだ。夕子さんのせいで怪奇現象の謎を解いてくれ!と言われたり、名前のせいで周りからハブられている
そんな彼女は日々のうっぷんが溜まり「怪談伝説」を壊し塗り替えようと行動する。桐島が仕掛けたイタズラにひどく怯える生徒たちは、桐島を「生贄」にし自分だけは助かろうとする
怪談自体が怖いのではない。ありもしない「幽霊」「呪い」「祟り」に惑わされ周りが見えなくなったあげく、醜い感情に支配される。それこそが怖いのだと教えてくれる
だから、「幽霊」という怖い存在に追いかけられたモブ少女3人は旧校舎から出ると、文化祭でにぎわっている「日常の風景」が視界に入ってくる。恐怖が視界を歪ませるのではなく、思い込みによる間違った認識が人々に恐怖を与える
設定的矛盾について
3話Aパート終わり(開始10分40秒あたり)では、霧江「夕子は50年前15歳で死んだ」と言っている。しかし、9話ラスト・10話では60年前(1952年=昭和27年)の話が語られ、このときに15歳で亡くなっている。疫病発生したのは60年前のため、このときに人柱にされたと考えるほうが自然だ
それとも疫病発生したのが60年前なのであって、タイムリープしたのは50年前の1962年なのか? でも、10話で60年前って明言していたような…
まとめ
新感覚ホラーコメディ。美人でちょっぴり魅惑的なお姉さんの幽霊とごく普通の内気少年との恋愛が面白いし笑える
大沼心による独特な演出が作品とマッチしている。モノクロ演出・カメラワーク・画角調整・鉛筆の先が折れるシーンとかが良い。大沼心ファンなら見ておきたいアニメだろう
あなたの〈アニメライフ〉に少しでも役に立ったのなら、記事を書いた甲斐がありました。最後まで読んでくれてありがとう。ではまた、黒木白桃でした
公式サイト

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大沼心の演出がこの作品以上に秀逸なもので、メタファーなどの使い方も上手い
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