こんにちは! アニメイキングの黒木白桃です。今回は2003年春に放送されたアニメ『カレイドスター』を紹介します。18年経過した現在でも色あせない感動がある作品。個人的には00年代アニメでTOP5に入るくらい素晴らしい作品だと感じました
1.成長と挫折の見せ方が秀逸で、真の感動を味わえる
2.練習風景が面白い。むしろ、本番や試合より練習の方が面白いまである
3.サーカス特有の動きが楽しめる。例えば、ジャンプやひねり、回る空中ブランコなどの動きが面白い
『カレイドスター(全51話)』ってどんなアニメなの?
- サーカスアニメで青春・感動アニメ
あらすじ
「カレイドステージ」。それはサーカスでもない、ミュージカルでもない、マジックでもない世界的に大人気のエンターテイメントショウ。
主人公・苗木野そらは16歳の女の子。幼い頃、今は亡き両親と観た想い出の「カレイドステージ」に憧れて、たった一人、オーディションを受けるため義父母の反対を押し切り日本から単身アメリカへやってきた。
オーディションに遅刻しながらも特例として入団を認められはしたが周囲の風当たりは冷たい。そんな中、そらは持ち前の、決して諦めない根性と天性の「華」、そして仲間達との友情と確執の中で、ステージの花形「カレイドスター」を目指してあらゆる試練を乗り越えていく。
放送時期 | 1期 2003年春 26話
2期 2003年秋 23話 |
制作会社 | GONZO
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監督 | 佐藤順一(さとう じゅんいち)
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シリーズ構成 | 吉田玲子(よしだ れいこ)
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キャラクターデザイン
総作画監督 | 渡辺はじめ・追崎史敏(おいざき ふみとし) |
音響監督 | 鶴岡陽太(つるおか ようた) |
主演声優 | 広橋涼・大原さやか |
原作 | オリジナルアニメ |
円盤売上 | 2003年の第2巻DVDが2200枚
2014年発売の「カレイドスター ~10年目の すごい Blu-ray BOX~」が初週3,600枚 |
キャラクター紹介
主要7人の紹介
苗木野そら


16歳の日本人。幼い頃に観たカレイドステージに憧れ、オーディション当日に単身渡米してきた。技術的には他の演者と比べて劣っているのに「ステージの妖精:フール」に選ばれる
レイラ・ハミルトン

17歳のアメリカ人。そらの憧れで現役のトップスター。クール系美人だったが、そらが来てから内なる闘志を燃やし始める
ロゼッタ・パッセル

ベルギー生まれの13歳。9歳から4年連続でディアボロ(ジャグリングの1種)世界チャンピオン
ミア・ギエム

16歳のオランダ人。もともとは演者だったが、途中で脚本家・演出家としての道を歩み始める
アンナ・ハート

16歳のアメリカ人。父親がコメディアンであり父の影響を強く受けている。そのため、お笑いを通じて観客に笑ってほしいという想いが人一倍強い
メイ・ウォン

新たなる翼(29話から)登場する15歳の中華系アメリカ人。元フィギュアスケート選手だったが、レイラに強く憧れてカレイドステージへとやってきた
レオン・オズワルド

新たなる翼(29話から)登場するフランスの天才トラピスプレイヤー(トラピス=trapeze=空中ブランコ)。ステージが観客のためではなく自分のためにあると豪語し、そら達と対立する
評価
96点
上から順に重視する。詳しい評価基準についてはこちら→当サイト(アニメイキング)におけるアニメの評価基準について
1.メッセージ性 | |
2.構成・脚本 | |
3.演出 | |
4.オリジナリティー | |
5.キャラクターの魅力 | |
6.音楽 | |
7.作画 | |
8.見やすさ・カジュアル度 | |
9.独断と偏見に満ちた個人的な好み |
良い点
1.成長と挫折の見せ方が秀逸
2.練習風景をしっかりと丁寧に描いている
3.サーカス特有の動きが面白い
悪い点
1.なし。しいていえば、53話と長いこと
無料視聴・無料動画サイト
1.dアニメストア
2.Netflix
3.Amazonプライム・ビデオ
4.U-NEXT
6.フジオンデマンド FOD
7.Hulu

カレイドスター1期(1~26話)
- カレイドスター1期総集編(27・28話)
- カレイドスター 新たなる翼(29~51話)
- 52話 新たなる翼 -EXTRA STAGE-『笑わない すごい お姫様』
- 53話 Legend of phoenix 〜レイラ・ハミルトン物語〜
という順番で見れば良い
『カレイドスター(全51話)』感想 ネタバレあり
苦しい時に自分を救えるのは自分自身。どこを目指すのか、何を掴みたいのか、それを知ってるのは自分だけ。全ての答えは貴女にあるのよ。夢を見失わなずに追い続けなさい
苗木野そらの才能

1話時点では主人公:そらの長所というのはあまり見えない。なんでこんな子がカレイドステージに入ることが出来たか?まるで分からない。事情があったとはいえ、遅刻したうえに技術的には他の生徒と比べると劣っている。だが、回が進むにつれて彼女の「能力」「武器」というものが見えだす
彼女の「才能」それは、観客にめいっぱいに楽しんでほしい!というエンターティナーなら誰しもが持つ普遍的なものだった。なぜそんな普通なものが才能といえるのか? 演者というものは観客を楽しませる者だが、同時に他の演者と熾烈な役争いをしている。そうした戦いの中で核となる純粋に観客を楽しませたいという気持ちは、自分の方が上手くできるし、より観客を楽しませることが出来るという傲慢さに変わってしまう。誰もがお客さんのためにやっていたつもりが、いつのまにか他の演者を蹴落とそうとする汚い感情に染まっていく
そらはそうした負の連鎖に飲み込まれることなく、常に子供から老人まで幅広い世代、みんなに楽しんでもらうという信念を貫いている。そうした普通で当たり前、だけど演者みんなが出来ないことをやっている。彼女の「才能」は周りをより輝かせ、チームを1つにまとめる
練習風景が面白い。むしろ、本番より特訓の方が面白い
こういったスポーツや競技系アニメというものは、高確率で練習がカットされる。まったく描写されないわけでないが、詳しくは描かれないことの方が多い。むしろ、本番に重きを置きたがる。試合の中で覚醒、駆け引きが起きる頭脳戦。そういった描き方がオーソドックスだ
しかし、この『カレイドスター』というアニメは他作品に一線を画している。あえて、競技から離れて1歩引いて息抜きをするときこそ今作の神髄だと感じる。張り詰めた身体や精神に休息を入れ日常へと戻るとき、競技に活かすことが出来る「意外なヒント」というものが見えてくる。技を完成させたい! あいつに勝ちたい!とやっきになっていると大事なことにも気付くことが出来ない
例えば、33話のロゼッタや37話のメイ見せ方が上手い。
メイについて
パートナーのレオンから裏切られて右肩の靱帯を怪我をしてしまったメイ。心と体を完全に折られて諦め、迷いの森をさまよう。ステージを離れて公園でぼーとしているとき、うんていで遊ぶ少年を見かける。少年が調子にのり片腕だけでうんていを掴み、落ちそうになったことを冷や冷やする。こうしたものを見てメイはアイディアが思い浮かべる。右肩が怪我してるなら、左腕だけで掴んで演技すればいいじゃん!と。怪我というハンデを逆に利用した逆転の発想、片腕から繰り出されるジャンプは動きが不規則で、なに1つ同じものは無い。こうしたものが観客の予想を裏切りエンターテイメントとして面白いものに仕上がる
ロゼッタについて
ディアボロの天才少女はそらに憧れ空中ブランコに乗りたいといっていた。だが、ディアボロなどのジャグリング系以外の技術はからっきしで、空中ブランコどころか学校や公園にある普通のブランコですら出来ない。そらが師匠となるも、そらに憧れるあまり「休憩してね」と言われているのに焦って練習を重ねる
そうした焦りの中で、バウンスボール(床や壁に当てるジャグリング)を教えて欲しいという少年少女に会う。そこで大事なことはリズムで、力を入れずに焦らないことと教える。教えることで自分も学ぶ。得意なジャグリングの技術を空中ブランコに取り入れる過程ってのが面白い
まとめ
成長と挫折の見せ方がとてつもなく上手く毎回毎回わくわくさせてくれる。ステージの上だけではなく、日常から得られる気付きを活かすときこのアニメは最高の輝きになる。また、表面上の成功だけが成長とは限らないと教えてくれる。むしろ、完成を望んだ技や技術の向上こそ有るのに心が満たされないというキャラクターの葛藤描いている。たしかに、望んだ技術は習得できた。だが、「何か」が違う……。そんな細かな違和感の見せ方が秀逸
演者1人1人の信念が違っているが、これが正解とか、これが間違いという明確なものはない。演者同士がぶつかることがよくある。だが、ぶつかるたびに互いに成長していくという所が見どころだ
あなたの〈アニメライフ〉に少しでも役に立ったのなら、記事を書いた甲斐がありました。最後まで読んでくれてありがとう。ではまた、黒木白桃でした
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